腹壁ヘルニア その19 退院の日 その2

2011/02/07 Mon

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「ママは、僕のために泣いたの?
ママに笑ってほしくて、しろちゃんお外から来たのにい…
ああ、それからママ、誰かを恨んだりしちゃいけない。
僕はもう忘れちゃったからいいんだよ



退院後、ママは手帳にしろちゃんの様子を記してある。
ご飯とお水、トイレの回数と種類は時間まで記載して書いてある。
トイレの時間を書けるって?
そうそう、それほどにママはしろちゃんをベッタリと看護(監視?)していいたのだ。
だが、しろちゃん自身の様子は、「しろちゃん寝たきり」とだけ、4日まで毎日書いてある。
寝たきりとは大げさかもしれないが、一日の半分以上を眠って過ごす猫が具合が悪いと、起きている時間は極端に少なくなる。
起きているのかもしれないが、じっと目を閉じて、薄暗く暖かく柔らかな場所から動こうとしない。
「そっとしておきなさいよ!。かまうと応えようとするしろちゃんだから」と、しろパパさんには言われているが、ママは30分おきに、しろちゃんの鼻に指をあてなければ気がすまないのだ。
しろちゃんのお腹の上下を、目視しなければ安心できないのだ。

「まさか、死んでないよね…」
そんな愚かなママに、しろちゃんはいつも、半分瞬膜の出たままの目を開け、「ママ、大丈夫だよ」と優しい視線をくれるのだ。



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この目頭に、涙を見てしまうのは、ママの大きな幻覚だろう。



退院してきた日、いったんは押入れに篭城したしろちゃんだった。

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↑ これこれ!(退院帰宅直後)



引っ張り出すこともできないから、ママはしゃがんだおかしな体勢で、しろちゃんの頭にそっと触れる。
ナーバスな状態になっていて、ママの手をガブリと噛んだっていいよ、しろちゃん。
しろちゃんの傷のほうが、もっと痛いはず。
「痛いの? 気持ち悪いの? お腹空いてないの? お水飲まない? おしっこしたくないの?」
答えがそのどれであったにしても、ママが助けてあげる。
痛いと気持ち悪いの場合は、しろパパさんをジムから呼び戻して、病院に行って苦痛を取り省いてもらうのだ。
ママのごり押しで、鎮痛剤や吐き気止めの注射を打ってもらのだ。
病院が閉まった時間なら、24時間動物救急病院もある。
ペット用ドクターカーってものもある。
どちらも、ママの携帯に電話番号を登録してあるよ~しろちゃん



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↑ 折りたたんだ掛け布団の中に、埋もれてこもり、まったく動かないしろちゃん。


ママも今日は疲れたと、ベッドでちょっとだけ睡眠を取ろうとする。
実は毎日毎日、しろちゃんと二人、お夕寝をしている。
午後7時から9時頃までが、ママとしろちゃんのラブラブゴールデンタイムなのだ。
でも本日ばかりは、しろちゃんは押入れに篭城ゆえ、ママは一人で横になりますよ~。

そういえば、しろちゃんがどうやって布団箱の上に上がったか、ママは不覚にも見逃した。
てっきりベッドの下に篭城したかと思っていたら、実は押入れ下段の布団箱の上だったのだ。
上がらせてはいけなかったのに。

しろちゃんが身動きし始めた。
ママは慌てて身を起こす。
「しろちゃん、おしっこかな? ご飯かな~?

しろちゃんは相当モジモジしてから、押入れ下段に入れてある予備キャリー(元の家のご近所の黒猫兄さんから、お下がりでいただいたもの)に降り、キャリーからママの折り畳んだダウンのガウンの上に降り、そして床に着地。
な~るほど、こうやって上がったわけね。
しかしなんと、なんとぎこちない動きなの!
ママはそれに、またしてもショック!
あんなに野性味たっぷりな動きをするしろちゃんが、
入院するその朝まで、かっとんで走っていたしろちゃんが、
今はほんのわずかな段差に力を振り絞って、ためらいながらよろよろと足を踏み出す。

ママがあの日、病院に連れて行き手術をしなけりゃ、こうはならなかったよね?
現状維持のままで生きていれば、こうはならなかったよね?
的外れな後悔が胸を締め付ける。
元気で美しく若いしろちゃんに、自分が故意に障害を負わせてしまったような気になる

待て待て!
憎むべきは、しろちゃんが手術をしなければいけないそもそもの原因を作った奴!
命を、大きさや形で判断してる奴!
野良猫だから、何をしたって、誰にも文句は言われないと思ってる奴!


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ヨチヨチというか、よっこらしょというか、一歩一歩が辛いのだということが、その動きでよくわかる。
抱き上げてやりたいが、抱っこは禁止。
「ここだよ、しろちゃん!、ここに上がるの
2段重ねの枕で作った段差を指差す。
その先のコールマンチェアを指差す。
コールマンチェアに立ち、最後はベッドに手をついて倒れこむように上がった。
ヨチヨチと歩いて、ママの枕の横の自分の毛布の匂いを嗅ぐ。
洗っても消えない自分の匂いと、いつものダウニーシンプルプレジャーラベンダー。
しろちゃんは静かに倒れこみ、じっと目を閉じる。
「ママ~、ほとほと力を使い果たしたよ」と言うように。

しろちゃんは、ママがベッドに上がれば、どんなことがあっても必ず自分もベッドに上がる。
ママが居れば、掛け布団の上ではなく、ママの横に律儀に身を横たえる。
ママが大好きだから…うん、まあ、それもそうだろうが(笑)
しつけたわけでもないのに、人と暮らすすべを自ら習得したのだ。
まだ血がにじむような大きな生傷をお腹に抱えつつも、人と暮らすすべを遂行しようとする。

命を大きさや形で判断する奴に、見せてやりたい。
野良猫だから、何をしたって…と思ってる奴に、見せてやりたい。
お外で一生懸命生きてきた、小さな身体の生き物の命は、そんな卑怯な奴より何百倍も大きい。
いや、比較するだけでももったいない

術後服の端っこから、大きな傷口が見えている。
ママはそうっと、頭を抱いて背中を撫でてやる。
気がきいたことは何も言えなくて、いつもの子守唄を歌ってやる
涙って、横になっていると、耳に入っちゃうんだよね~


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「ママのお耳が湖になったの、僕見てたよ


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コメント

Secret

こんにちは☆

kakoboxさん記事書くのお疲れ様でした。

今日の記事はコメントするのに躊躇するほど・・・(;;)

でもこの記事を辛い記憶を呼び起こしながら書いたkakoboxさんや
苦しい苦しい手術に耐えたしろちゃんを思うと

私も頑張ってコメントしなきゃっ!
て思う変な連帯感を持つ読み手なのでした;

kakoboxさんがしろちゃんの頭を抱いて思ったこと全て
しろちゃんに伝わってますよね。

私最近思うんですけど猫ってこちらが考えていることが分かるというよりも

こちらが映像で思い浮かべていることが見えるんじゃないかな?っと感じることが多いです

なので私は全部言葉じゃなくて映像を思い浮かべて猫と接するようにしています

しろちゃんはきっと良いことも悪いことも全て見えて
理解して受け止めkakoboxさんに感謝しているんだなって思いました。

同じぐらい優しくて頑張り屋さんな2人はきっと本当の親子だわ!

rag mamaさん、ありがと♪

世の中には、もっともっと深刻な病気を抱えた猫ちゃんがいっぱいいるじゃない?
治すすべがない子もいるし、治してくれる人がいずに放置されてる子もいるのよね。。。
そんな子達には、申し訳ないような記事です。

>私も頑張ってコメントしなきゃっ!
て思う変な連帯感を持つ読み手なのでした;
↑ コメントは頑張らなくてもいいけどうれしい、そんな連帯感こそ、 私はステキと思うわ~♪
お互い好きな猫ちゃんを介して、おしゃべりするのは楽しいですよね~i-194
連帯感が、何かの助けになることもきっとあると思うの。

>こちらが映像で思い浮かべていることが見えるんじゃないかな?
↑ そうかもね!
だから猫ちゃんの前では、悪いことなんて考えちゃいけないのねi-229
大人同士が口論してると、猫ちゃんはものすごく悲しい顔をして、黙って小さくなってる。
人の幸せと自分の幸せがリンクしてるってこと、わかってるのよね。
だから猫ちゃんを幸せにしてあげることは、自分を幸せにすることだと思うのi-228

きっと本当の親子だなんて、うれしいな~~~i-178
やっぱり私が生んだんだ!ねっi-237

アンちゃん、メイちゃんも別々にやってきたのに本当の姉妹になって、rag mamaの本当の子供になって、幸せよね~。
大事にされてることはお顔でわかる。
やっぱり運命を感じるでしょ?
アンちゃん、メイちゃんも、rag mamaのところに、来たくて来たんですよ、ねv-22
プロフィール

kakobox

Author:kakobox
東京都在住。
【しろちゃん】MIX白猫男の子9歳
2007年2月14日生まれ(獣医さんが決めた誕生日)
お庭から、自分の足でやってきて、自分で自分のママを見つけたけなげな子。
野良猫→外猫→1歳半を超えてママの白い一人息子に!
腹壁ヘルニアで大手術、持病は猫ウィルス性気管支炎。
大人しく律儀で優しい、性格自慢な良い子です♪

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