腹壁ヘルニア その13 言葉にできないだけ

2011/01/28 Fri

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「僕、覚えてるよ」



昨年11月30日 手術から二泊した午後。
しろパパさんが仕事で行かれないので、ママはタクシーで病院に行く。

前日の顔見知りでないほうの看護士さんが受付に居た。(2回も会えば顔見知りか?
「しろちゃんに面会に来ました。」
我ながら、大人気ない言い方だな~とあとで思う。
苗字を言わなくて、しろちゃんと言えば通じるものだと思ってる(笑)

看護士さん
「しろちゃんは今朝、a/d缶をちょっぴり食べてくれましたよ~♪」

…ということは、それまで何も食べてなかったってことね!
「さっきまで床に、横になって眠っていたんですよ~♪」
…ということは、今まで横になって眠るなんてことは無かったわけね!!(無人になる夜中は不明だが)
モンスターペアレントって人達に縁の無い私は、そうなる経緯ってものを知らないが、その経緯みたいなものを垣間見た気がする。
良い変化を伝えてもらうと、そこまでは良くなかったのねと、一歩手前を深読みする。
何でそうなったわけ?と、突っ込みたくなる。
猫好きだという看護士さんは、好意的に、少しでもホッとするようなことを伝えようとしているだけなのに。

「上段下段の猫ちゃんと、お話してましたよ~♪」
…あらあら、珍しいこと。
しろちゃんの意外な社交面に、私の顔も緩む。
退屈でつまらなくって、知らない猫同士、顔も合わせられない状態のまま、会話をするなんてステキ。
上段の猫ちゃん
「君は誰?、どこから来たんだ?」

しろちゃん
「僕、しろちゃん、ちょっとだけ車に乗ったよ。」

下段の猫ちゃん
「あたちはママと歩いて来たわ。」

しろちゃん
「おじさんはどこか痛いの?」

上段の猫ちゃん
「ん~お腹の具合が悪くてな。」

下段の猫ちゃん
「あたち、あたちはね~ひにんしじつだって。
お腹痛いの~エ~ン、ママ~~ママ~マーマーーー」

しろちゃん
「泣かないで、女の子ちゃん、僕が歌を歌ってあげるよ♪
ねんねヨーイヨイ、ねんねヨーイヨイ♪」

上段の猫ちゃん
「うるさいぞーーー!なんだその変てこな歌は!」

下段の猫ちゃん
「あたち、そんな歌聞いたことが無いわ。」

しろちゃん
「……(ママ、恥かいたよ)」



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「上段のおじさんには、お前のママってすげえなって言われた


病室のドアが開き、しろちゃんがまた同じ場所に三つ指ついて座ってた。
「しろちゃん♪」
昨日よりは少し声らしい声で、一声泣いた。
看護士さん
「お好きなだけどうぞ、しろちゃん、良かったねえママが来て~♪」

そう言って、細長い猫専用病室自体のドアを閉めて出た。
とたんに気丈な態度もグッと崩れるママなのである。

「あ~ん、しろちゃ~ん、あむあむ~」
(あむあむ~は読まなかったことにして(笑)。母子だけに通じる秘密の言葉なのだ。)
「ママ~あむあむ~」
ヨチヨチと、しろちゃんが前進してくるではないか!
本当にヨチヨチだが、奥深いケージの最奥から、ママの居る扉のところまで。
オデコゴッチン(頭をこちらのオデコに押し付けてくることを我が家ではそう言っている)を数回した。
しろちゃんの傷に響くだろうと、ママはその都度、少し身を引く。
ママが背中を撫でれば、頬を頬にスリスリ~。
顔を丸く手の平で、キュッキュッと上に押しあげるように包んでやる。
「おにぎりおにぎり~」
これまたいつものかわいがりかたで、しろちゃんはこれをされるとうれしいらしい。
(…というか、猫ちゃんの顔が笑ったような顔になるのだ。やってみて♪)
「あははははっうふふふふっ
しろちゃんの笑い声が、ママにはちゃんと聞こえたよ!


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「下段の女の子には、あたちより甘甘ちゃんじゃんって言われちゃった


しろちゃんが向きを変えた。
問題の右わき腹を、私に見てくれというのだ。

正直なところ、かなりショック!
想像していたくせに、ひどくショック!
もちろん、先生には、できる限りの処置をしていただいたことを感謝している。
こうなって、当たり前なのだろう。
だけど、ショック!

肋骨の下あたりから、グイーっと10センチ程度、右下方向に生々しい傷跡。
猫は三味線に使った(今でも使うのか?)ほど柔らかい皮の持ち主だから、縫った距離だけキューと縮まって、お腹が、極端にいえば人間のお尻のよう。
あまりにもキューっとへこんでいるので、座った姿勢では、傷のところで皮がうまい具合に折りたたまれて見えないのだ。
説明がうまくできないことを考慮して、この段階で写真を撮るつもりでいたが、持っていたカメラもバッグから出せなかった。
写真を撮るなんて気持ちにはなれない。
しろちゃんに、あまりにも失礼な気がして…。

まだ痛みと闘いつつも、おにぎりおにぎり~に「あははははっ」と笑ってくれたしろちゃんに、カメラなんて向けられない。
しろちゃんは、自分がうれしくて笑ったんじゃない。
ママが喜ばせようとしてるから、笑ってくれたのだ。
ママが悲痛な声なんて出さずにおどけてくれたってことを、ちゃんと受け取って、そして応えてくれたのだ。
猫がそんな繊細な感情を持つわけがないって思ってる人、ちょっと来なさい!!

「何も言わないことが、何も感じていないことではないのだ。
笑顔を作れないことが、微笑みを知らないことではないのだ。」


しろちゃんは、右わき腹をグイグイとママの顔に押し付けようとする。
いいよ、ママは舐めてあげるよ。
舐めたふりをして、傷周辺に頬をあて、そっと息を吹きかける。
ママが舐めて、治せない傷もあるんだよ、しろちゃん。
取ってくれって?
取ってあげたいけど、取っちゃいけない点滴なんだよ、しろちゃん。

グイグイグイグイ、前に前に押してくるしろちゃんを、ケージから落ちそうになったら、この傷ではどう抱こうかと思案する。
いつもの歌を歌って、こんこんと話して聞かせて、明日はお家に帰れることを私的には理解させた。
「わかったね?、あと夜がひとつと朝がひとつだよ

トートバッグの中に入ったきりの猫毛布を、ホットマットの上をカバーするように敷いてやった。
座っていても横になっても、毛布の上に居られるように。
そしてその上にしろちゃんを移動させた。
点滴のチューブがややこしいことになっていたので、少々歩いても絡まぬよう、直しておいた。
ママのシャツと、お気に入りのあご枕を置いてやった。
お水の中に何か浮いていたので、お水の容器をケージの外に出した。

「看護士さ~ん、お水何か浮いてるから換えてやってね
あっ、トイレにおしっこ2回してるわよ
ご飯は下げないでね~いっぺんには食べない子だから
モンスターペアレントの出来上がり~~~

モンスターペアレントは、看護士さんにタクシーまで電話で呼ばせて、暗くなった道を風のように帰宅する。
しろちゃんがお留守番してないから、真っ暗でエアコンもついてないお家が、よそのお家のよう。


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「ママは一応、正しかったと思ってる…。
一生懸命やってくれたこと、僕は知ってるよ」


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コメント

Secret

こんばんは

泣くのを我慢して奥歯が痛くなったけど結局泣いてしまいました。.。:+*(>ω<。)*+:。.。

今日ワクチンでメイちゃんを病院に連れて行ったのでよけいにリアルでしたよぉ・・・




しろちゃんへ   
しろちゃんホント良く頑張ったんだね☆
辛いのにママの気持ちまで思いやって天使のようなしろちゃん。
しろちゃんの気持ちが伝わるやさしいママでよかったね・゜゜(>_<)゜゜・

ラグママより


コメントの回答ありがとうございました。

今は元気って聞いてホッとしました!

2月の検査も、絶対に良い結果!って私も祈ってます!

rag mamaさん、ありがと♪

熱いコメントありがとうございます♪
同じ気持ちになれる人が見てくださって、ブログを書いてる甲斐があります。

ラグママさんへ
ほめてくれてありがと♪
僕ね、お外に1年以上も生活してたから、ママとパパと暖かいお家ができたことがとても幸せで、それをママに伝えたい気持ちでいっぱいなの。
しろより

メイちゃんは今日がワクチンでしたか!
まだちっちゃいのに、チクンv-74されちゃったのねi-230
メイちゃんは小さいから、病院に連れて行くのが楽でしょう?
しろちゃんは、悪戦苦闘の末にキャリーに押し込むって感じです(笑)

しろちゃんのためにお祈りなんて…うれしいです。
ママも、どんなことがあっても!と勇気がわいてきますv-22

No title

「あと夜がひとつと、朝がひとつ」
うちも同じことを言って、言い聞かせました。

しろちゃんを心配するkakoboxさんの気持ち、
痛いほど伝わってきます。

しろちゃんが傷を見せるしぐさ…。
想像したら、泣けてきます。
しろちゃん、不安でたまらなかったんだね。

「見て、見て、ママ、舐めて」

しろちゃん、ママが本当に大好きなんだね。
そして信頼してるんですね。

kakoboxさんは、モンペアではないですよ~。
みんな、同じようなことしますから。

ローズキャットさん、ありがと♪

「あと夜がひとつと、朝がひとつ」
まあ、ローズキャットさんも同じことを言ってましたか!
猫ちゃんのママは同じ発想にいくのかな i-229

傷を見せられた時には、どうしようと思っちゃいましたよ。
まだ血もにじんでるような生々しい傷なんですもん。
下手に触れて、化膿でもさせちゃいけない、でもしろちゃんの舐めての気持ち、受け止めてあげたいって。
猫のお母さんなら、ためらわずに舐めてあげるんでしょうね。
その結果、化膿するとしても、その愛情に子猫は癒しを感じ、自然治癒力をもらうんですよね。

しろちゃんは元野良ですから、そもそも、人ってものを信じてなかったんです。
だから、信頼という点においては、自慢じゃないけど相当時間をかけて、一歩ずつ一歩ずつ築きあげたって感じです。
ホントにねえ、お尻を舐めるくらいのことしないと、しろちゃんの信頼を得ることはできなかったんですよ~。
さすがにお尻を舐めると私が病気になりかねないので(笑)、お尻周辺の毛に唇を触れてあげるって風にしてます。
今回の手術でも、その関係が壊れてしまうんじゃないかと、そのことも心配しました。
結果は逆だったんですけど。
モンペアではない?
良かったわ~、猫友さんはやさしいのね。
いつもありがとう v-22

No title

うちもそうですよ。
名前どころかいきなり用件で伝わります。(笑)
病院側では、つくねちゃんの・・・。てな感じです。
病院でつくねとは言っても、苗字を言ったことありません。(爆)

猫さんも感情あります。本当に繊細な。
「何も言わないことが、何も感じていないことではないのだ。
笑顔を作れないことが、微笑みを知らないことではないのだ。」
この言葉、本当にそう思います。
しろちゃんとの強い絆と愛情を感じました。

モンスターペアレントになってないですよ。物ではないのだから。
同じ状況だったら自分でも言いますよ。^^

ご報告が遅くなりましたが、お陰さまで猫ドック無事に済みました。
感染症、腫瘍等ありませんでした。
御心配お掛けしました。
本当にありがとうございました。m(__)m

しろちゃんありがとね。コメント嬉しかったよ。
つくね。

思い出しました

私の最愛のみぃが、19年前に避妊手術を受けた日の事を思い出しました。
まだ麻酔が抜けきってない状態なのに、懸命に匍匐前進してよちよち私の膝にきました。あの時は、手術が無事に終わった喜びよりも、健気にこちらに向かって来る姿に胸が熱くなりました。
そのみぃが旅立って半年…忘れかけていた思い出を思い出しました。有り難うございます。

つくね♂さん、ありがと♪

あら~つくね♂さんでもいきなり用件ですか!
私が大人げないのでなくて、良かったわ。
病院の薬の袋に、「○○しろちゃん」って、フルネームで書かれてるんですけど、それがおかしくて(笑)
猫ちゃんやワンちゃんを戸籍や住民票に入れる時代もそう遠くないかもしれませんね。
私は持参金つきの遺言書を書きたい。
自分達に何かあったときのために…。

猫ちゃんは、物であると、警察や法の場ではなってるんですよねーこの国の文化度が嘆かわしいです。

昔実家で犬を飼ってましたが、今思うと、猫ちゃんのほうが繊細で人っぽい感情を持っているように感じます。
猫バカ魔法にかかっただけかな(笑)

つくねちゃんの猫ドック、麻酔も無事、検査結果も杞憂の問題は無く、本当に良かったですね。
今後は、勝手なお散歩、ご注意ご注意ですよ~!
「つくねちゃん、お外、一人、ダメダメ、わかりましたか~???」と、おばちゃんは遠くから言い聞かせましょう。

くるみざわうめさん、ありがと♪

最愛のみぃちゃんのことを思い出して、よかったわね。
ちぃちゃんにその経験が生かせるものね。

みぃちゃん、麻酔が覚めてないのに匍匐前進で?
小さなかわいい生き物は、愛してくれるママがすべてなんですね。
ママのところにたどり着きさえすれば、すべて何とかなると信じてるんですね~。
泣けちゃいますね。
亡くなった子を思い出すのは悲しみを伴うけど、その分、ちぃちゃんのほうから幸せもらってくださいね~v-22
プロフィール

kakobox

Author:kakobox
東京都在住。
【しろちゃん】MIX白猫男の子9歳
2007年2月14日生まれ(獣医さんが決めた誕生日)
お庭から、自分の足でやってきて、自分で自分のママを見つけたけなげな子。
野良猫→外猫→1歳半を超えてママの白い一人息子に!
腹壁ヘルニアで大手術、持病は猫ウィルス性気管支炎。
大人しく律儀で優しい、性格自慢な良い子です♪

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