偶然か必然か、名前マジック、ミラクルなお話

2011/07/13 Wed

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「ええ!ママのパパは僕のおじいちゃんですか?
あの仏壇の中に居るおじいちゃんですか?
僕、会ったことも無くて、残念でした。
ええ?僕に似てるんですって?
じゃ、正直ないい人でしたね。

自分で言うかしら、そういうこと。

夏空はこんなにきれいなのに、この空の続いてる遠いところで、
恐ろしいことが起きている。
風も木々も、いつものようににぎやかにそよぐのに、目に見えないものが降りかかっている。
その目に見えないものから、半永久的に物質が放射されてるなんて…。
原発事故の起きる前にも、空気中には、放射性物質は微量ながらあった。
それは、チェルノブイリ原発事故の際に放出されたものが大部分だそうだ。
↑ディスカバリーチャンネルで見た情報。

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「僕のお話ではないようなので、うたた寝でもします。」
…と、爪とぎのふたの微妙な角度を利用するしろちゃん。


今日は「しろうさん」と「しろちゃん」のお話。
しろちゃんというよりは、私の個人的な話になるが、ちょっとミラクルなので書いてみた。

2002年に私の父が亡くなっている。
2003年に私の母も亡くなっている。
しろちゃんは2007年の生まれだ。
従って、両親とも、当然のことながら、しろちゃんの存在を知らない。
私と父は、ベタベタベッタリの親子関係だったとっても過言ではない。
一緒に買い物に行くとか旅行に出かけるとか、そういった実質的なベッタリではなく、精神的なベッタリだ。
いつまでたっても、子供の時の距離感と同じに、娘を子としか見られない父であり、私も同じ距離感でしか、父と関われなかった。
つまりは親離れ、子離れを意識的に延々としない隠れ溺愛父娘と言ったところ。
そんな父は、調布の家に1回も来たことがない。
正直なところ、来ることが、私がすでに手元から去ったことを確信することになり、嫌だったのだと思う。
父の話を始めると、長~くなりそうなので、ここで割愛。

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「ママもママのパパを大好きだったんですね。
そのおじいちゃんもママを、大好きだったんですね。
おじいちゃん、どうしていなくなっちゃったんですか?
僕みたいに、ママのそばにずっとくっついてればよかったのに…。」


母はよく夢に出てくるのに、父は1回も夢に出てこない。
その代わり、おかしなところで出てくるのだ。
父の名前は苗字と名前をすべて数字にできるやつ。
「しろうさん」なので、○○46だが、わかりやすく「☆☆46」としよう。

亡くなった2年後あたりに、しろパパさん車を買い変えた。
納車の日、車を販売店の営業マンが乗ってきて、私は玄関先で腰が抜けそうにビックリした。
任意のナンバーで構わないとしたナンバーが、なんと「☆☆46」だったのだ!
「お父さんが来たぁ♪」
父は、我慢ができなくなって、見にきたものらしい。
大きな車に姿を変えて。
大きな車の座席にもたれるたび、父の背中を思い出す。

その1年後あたりに、しろパパさんが、携帯電話を、番号ごと新規に買い換えた。
ドコモショップで出てきた番号は、090 ○○☆☆46○○
番号の真ん中4つに、またしてもお父さんは居た。

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「おじいちゃん、心配でたまらないんですね。
いっそ帰ってくればいいのに


何で私の持ち物に出てはこないの?と、不思議に思った。
対岸から見るように、しろパパさんの持ち物ばっかりに…。
もしかして、しろパパさんを見張っているの?

2007年春に、子猫を3匹お庭で見かけた。
その年の晩秋から、2匹がお庭に出入りするようになった。
1匹は茶サビで、1匹は白猫だった。
白猫だったから、自然に「しろちゃん」と呼ぶようになった。
茶サビの猫のほうは、しろちゃんのお姉さんなので、これまた単純に「ねえちゃん」と呼んでいた。
我が家にご飯を食べに来るといった、いわば半野良状態を半年以上も続けていた。
我が家の晩ご飯のあとの深夜、私は庭の木々でうっそうとした暗闇に向かって、名前を呼ぶのだった。
「しろちゃん、しろさ~ん、し~ろ~」
ん?んん??
私は誰を呼んでるの?
えっ、お父さん??

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「えっ、僕じゃなくて、ママはお空のおじいちゃんを呼んでたんですか?
いや~まさか、僕のことですよね?」


何も考えることなく、白猫だから「しろちゃん」と呼んでいた。
そのまま名前となって定着し、本猫も自分が「しろちゃん」であると、十分に把握している。
しろちゃんは、白猫である必要があったのか?
あったのだ。
しろちゃんが、=お父さんなわけではない。
ソフト○ンクのCMではあるまいし(笑)
しろちゃんは、関係としては、あくまでも私の子供である。
父はまた、猫に生まれ代わったわけではないのである。
毎日毎日、何回もその名前を私に呼ばせることによって、父は告げたかったらしい。
かたときも離れずに、そばに居ることを…。
父は、父を亡くしたことによって失った愛情の重さ分、別な愛情を私に与えてくれたのだと思っている。
ついでに、私をママにさせることで、無理矢理成長もさせてくれたのだと感謝している。

次は何に出てくるのだろう、☆☆46。
いやもう、出てはこないかもしれない。
そばに居てくれることを、私が十分にわかったから。
…とここまで書いたら、またビックリ。
明日は偶然に、父の命日だ。

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「おじいちゃん、心配しないで、大丈夫。
ママのことは、僕が責任持って毎日見てますからね。
ええ、一生懸命にやってますよ。
ええええ、悪いことはさせません。
わかりました、言っておきます。
『暑くても、お腹を出して寝ちゃダメだ』
『人生一生勉強だ』
ですね」



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引越しの思い出その6 猫も一緒に人生の河を流れるのだ。

2011/04/27 Wed

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「なんだか大げさなタイトルだけど、要はママはさ~、僕とず~っとず~~~っと一緒に生きて、一緒に死んでいくってことでしょ?」
ひえ~しろちゃんのほうが大げさだと思うな~。

とても強い風が吹いている。
木々は踊りを踊るように枝を揺らし、風がどっちの方向からともわからない。
窓から見ている分には、台風のよう。
夜更けには雨になるらしい。
雨の夜に濡れて歩くことがとても好きだったけれど、今年はやめておこう。
こういう場合、風評被害とは言われないだろう。

「猫は家につく」とは、昔から人の言い伝えてきたことだが、前にも書いたとおり、私は、猫は家ではなく人につくものだと思っている。
「大好きな人の居る環境が大好き」…という意味で、家は猫にとって大事なものだとは思う。
そしてまた、「猫は家につく」は、猫が家と外とを自由に行き来していた時代のお話だろう。
完全室内飼いともなると、家を外から眺めることもなくなって、そこにあるのはただただ、大好きな飼い主さんと窓と家具と空間である。
時代とともに、猫ちゃんも変容するのである。

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お願い、ほうっておいて、泣かせてよーーー
引越し翌日、しろちゃん専用に持ってきた古いソファ椅子から動かないしろちゃん。
猫ちゃんには、表情が無いというが、そんなことは全然無い。
笑いもするし、泣きもする。
しろちゃんの目の中に、涙の一粒を、ママは見た。


引越し=家が変わる。
我が家に起きたこの事件を、しろちゃんはどう思っていたのだろう。
生まれた土地から離し、歩いては帰れない場所まで、人の都合で連れてきてしまった。
おまけに土の上から、土を見ることもない階層に。
しばらくの間は相当に抵抗のあるものと、覚悟はしていた。
そのしばらくは、10日間かもしれないし、1ヶ月かもしれないと思っていた。
ところがどっこい、意外に早く適応した。
そのための努力もママはしたのだ。

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「シクシク、シクシク
ここはどこ?僕は誰?

その次の日もソファで泣いて、動かないのだ。

①しろちゃんがいつも座ったり寝ていたりした古いソファ椅子を、引越し前の家から一個だけ捨てず持ってきた。
ほとんどの家具を捨て、この際新しいものに買い換えた。
そのソファ椅子は重たいのだが、そして新しい家具とはマッチしないのだが、少しは自分の匂いのついた家具があったほうが、安心かなと思ってのこと。
捨てるのは、後でも可能だ。

②寝室とした部屋の窓を1ヶ月以上も開けなかった。
寝室は、人にも猫ちゃんにも、一番安心できる場所でないといけない。
その部屋の中に居るときだけは、まるで別世界のところに来てしまった感の無いよう、窓から外を見せないようにした。
リビングの窓からはすでに外を見ているので、高いところに来てしまったことはわかってはいるだろうが、眠る場所である寝室だけでは、不安感をごまかしてあげたい。
しろちゃんは、1ヶ月間は見事に騙されていた。
「ちょっと周囲が違う?」「と思いつつも、この寝室が何よりの安全な場所と認識している。
しろちゃんの馴染み具合を見て、いつか窓を開ければいいのだ。(もちろん今現在は、窓は開ける。)

③とても興味をそそる場所を作った。
一室を、ウォークインクローゼット状態で使うこととなった。
その部屋には、猫毛が付いて欲しくない衣服を収納して、入ってはいけないこととした。
入りたくて絶対に入れないこの部屋があることで、興味津な気持ちが不安を上回る。

④片付けが済む間、引越しの段ボール箱に好きなだけ入って遊んでもよろしいということにした。
時には未使用のシャンパングラスの箱の上に、時には大事なたくさんの本の間に、しろちゃんはひっくり返したおもちゃ箱のような荷物の間で遊んだ。
「しろちゃん、どこにいるの~」と、大声を出して呼ばなければならないほど、家は広大な遊び場となった。


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「シクシク、グスン
僕、どこに居ていいかわからないんだ

その次の日もまた、泣き続けたしろちゃんなのだ。
男の子なのに、長泣きだねえ。
自分の居場所は自分で見つけなさい!

家が変わらないにこしたことはない。
同居する人が変わらないにこしたことはない。
家が終生変わらないこと、同居するパートナーが終生変わらないことという項目を、猫ちゃんと暮らす条件に挙げている動物愛護団体もあるが、私はちょっと違うと思う。
人の生活が変わるとともに、猫ちゃんの生活も変わるのだ。
家が変わる、同居人が変わることも、人の長い人生にはあり得ることじゃないか。
猫ちゃんに、変容を受け入れさせるのは必要なことであり、耐えがたいことではないと思う。
愛情あってこそ、人生という河を一緒に流れてゆくのだ。
環境が変わらないことを願うのはもっともだけど、変容を受け入れられる愛情をも、猫ちゃんとの間に育てよう。

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「今ではここが、しろちゃんち~
どこよりもここが、僕の好きな場所。
誰より好きなママとしろパパさんと一緒だもの。
僕はどこにでもついてゆきます


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引越しの思い出その5 猫に噛まれると、猫になるのだ。

2011/04/26 Tue

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「あっしろパパさん、そのお皿の上の「まるごとバナナ」、僕にも少し味見させてください。
味見だけでいいんです。
食べるなんてそんな。
僕はつつましさが売りの、白い白猫ですよ
ママが引越しの日の思い出を書いていて、僕のイメージが悪くなってるんです
しろパパさん、なんとか言ってくださいよ~」

男同士でこっそり、告げ口をするしろちゃんなのだ。

今日は1回も地震が起きていないような気がする。
せめて私は、感じなかった。
初夏を思わせる風に騒ぐ木々に、心身爽快な気分だ。
3月11日の本震の際、都心の高層ビルでは13分間揺れ続けたそうだ。
ひとつの揺れの終わらないうちに次の余震の揺れが重なる。
長時間振動とかいう名称だった。
海辺は海辺で、都心は都心で、地震は違った顔を見せる。

しろちゃんにカプリと噛まれた引越しのその日。
見知らぬお家に怯え、押入れに篭城してしまったしろちゃん。
極力かまわないほうが賢明と思った。
猫ちゃんには、猫ちゃん自身の様々な本能的なルールがあり、どんなに愛しいわが子でも、介入してはいけない心情もあるのである。
そっとしておくことが、何よりの慰めということもある。


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「思い出しました。
僕はとても怖かったですよ、今日からここがお家ですって言われたときには…。
一通り、ネズミがいないか、ヤモリがいないか、ミミズがいないか、見て回らなくちゃ、寝られないじゃないですか!」

いないと思うよ、マンションにネズミ、ヤモリ、ミミズは…。

買ってきた晩ご飯のお弁当を食べて、とりあえずは一呼吸した頃に、私の手首はジンジンと痛くなってきた。
痛かったことに気づかなかったというのが正解。
熱を持っていて、噛まれたところは赤く腫れていた。
傷があるのだから、腫れるくらいは当たり前と、軽く見ていた。
鎮痛剤を飲んだ。
消毒の薬くらいはつけても良かったのだが、なにぶん引越し当日なので、何も無い。
寒気がして微熱もあったが、寝不足と疲れのせいだと思っていた。

段ボールを開梱して、最低限生活に必要なものを荷物の中から出した。
段ボール箱に、中身を記載していたことが幸いだった。
とりあえずはベッドメイキングをした。
できるところから片付けを始めたが、なんだか手首が思うように動かない。
右手だから非常に不便だ。
よくよく見ると、手首の腫れが段々上に上がってくるではないか。
指も、お相撲さんの指のようになりつつある。

お風呂に入る時になって、シャワーだけでは我慢できないくらいに寒くなってきた。
それでもガタガタとしつつシャワーを浴びた。
熱を測ったら、38℃にまでなっていた。
普段は35℃台なので、これはピンチ。
腫れと熱とがコンビでくるとは、化膿している証拠だ。

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「結構、重症だったんですねえ。
ホントに失礼な猫ちゃんだな、ママを噛むなんて、僕には考えられない

だから、昨日も言ったけど、君ですよ、しろちゃん。
とぼけるのはおやめなさい。

翌日、腫れはひじまで達し、手首はまったく曲がらず、指はプクプクに太って、指も曲がらない。
熱も少しも下がらない。
知り合いのトンカツ屋さんのオジサンが同じ町なので、電話してお医者さんを教えてもらった。
「ダンディなステキな先生だよ、オバサンにモテモテさ、楽しみにね~」とのことだった。
それどころではないのだ。
非常に痛いのだ、ズキズキジンジンしちゃうのだ。
頭が熱でボーッとしているのだ。


「恥ずかしながら、飼い猫に噛まれました。」
しろちゃんに噛まれたなんて、ママは本当に恥ずかしながらなのだ。
そのしろちゃんと、昨夜も仲良く枕をシェアして寝ている親バカなのだ。
多分ママは、かみ殺されることがあっても、しろちゃんを悪くは言わないだろう。
しろちゃんがナイフで襲ってきても、ママは黙々と殺されてしまうような気がする。

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「また~人聞きの悪いことをママはあえて言うんだから~
僕の評判、台無しですよ。。。」


先生いわく、
「猫ちゃんに噛まれたことを甘くみてはいけませんよ~。
完全に家の中だけで飼っている猫ちゃんでも、口の中には100%雑菌があります。
ほら、4箇所穴が開いている。
上下にカプっといっちゃったねえ。
血管が切れなくて幸いだった。
雑菌で化膿しているので、こういうことになってるわけですが、次の段階があるかもしれません。
リケッチアという菌があってね、感染したあと潜伏し、噛まれたときから2ヶ月くらい後に、脇の下が腫れてくるんです。
2ヶ月ですよ~よく覚えていて、この後の症状に気づいてくださいねえ。
パスツレラ、トキソプラズマなどのもっと怖い菌もある。
怖いよねえ。
でも、猫ちゃんはかわいいでしょう?
どんな猫ちゃん? 元野良猫の白猫ちゃん? 一緒に寝てる?
うんうん、そうか、じゃかわいいや~。」



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「太いチックン、かわいそうでしたねえ、ママ。。。
そうそう、僕はかわいいってよく言われます

自力で名誉挽回なんだろうけど、ストレートに言うと嫌われますよ~しろちゃん。

先生はダンディだった。
優しかった。
…がママは、上記の理由ではなくて、下記の理由で臨床医として理想的な先生だったので、今後の身近な掛かりつけとすることにした。
※まずは挨拶をする、
※ゆっくりと事の次第を聞く、
※丁寧に治療を施す、
※詳しく説明する、
※患者の痛みを理解する、
※心情的な痛みも受け入れようとする、
※今後の見通しを、良くも悪しくも柔らかく説明する。

抗生物質の注射をして、包帯を大げさに指の先から肘まで巻かれ、サポーター包帯で固定されて、消毒と経過観察のために毎日通院するように言われた。
お風呂には、サランラップで巻いて入り、傷を濡らさないようにと注意された。
翌日より、クリニックに通院&美容院でシャンプーだけする日々が始まる。
左手だけで顔を洗って、気がついた。
ママも当面は、猫になるってことかね、しろちゃん。


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「何言ってるんですか、ママは。
僕とママは猫の親子じゃないですか!
えっ今まで両手で顔を洗ってたって?
今度、僕が、どうやったらお水無しで片手で顔を洗えるか、ちゃんと教えてあげましょう。
ママが猫として生きていけるように…。


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引越しの思い出 その4 「飼い猫に噛まれる」は裏切りじゃない。

2011/04/25 Mon

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「そうだね、もう初夏っていう季節だね。
夏の前には梅雨があって、毎日毎日雨が降り、僕は毎日毎日眠たくなるんだ。
冬眠のクマさんみいたいに。
えっ? 飼い猫に手を噛まれたって!
信じられない、恩知らずな猫ちゃんですねえ

それは君だよ!しろちゃん


今日の調布は、初夏を思わせる白い雲の飛ぶ空。
夕暮れは遅くやってきて、朝は早くやってくる。
地震、原発で慌しい気持ちの中、季節の移り変わりには、本当に驚かされる。
春が来たと思っていたら、もう初夏だ。

「飼い犬に手を噛まれる」という言葉は裏切りの代名詞でもあるが、「飼い猫に手を噛まれる」…ことになった私は、しろちゃんに裏切られたわけではない。
親バカな推論ではあるけれど、しろちゃんは私の怪我を認識していて、その後、とっても気にしてくれたのである。
労わってくれたのである。
私に代わって家事をしてくれたわけではないが、しろちゃんの心情を感じることができたことは、怪我を負っても余りある。
「自分が噛んだんでしょ!」
とママに叱られつつも、このひとつの出来事がまた、しろちゃんとママの絆を深める役にたったのだ。


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「まさか僕ではないでしょう?
だってさあ、僕は甘噛みが完璧にできる子って、ママはみんなに自慢してるじゃない。
甘噛みって、僕の猫姉ちゃんが教えてくれたんですよ。
自分を僕に噛ませて、身をもって、教えてくれたんです
猫姉ちゃんには、よくひっぱたかれました



しろパパさんから、引越し屋さんが帰り、電気製品の配線が終わったら、しろちゃんと私を迎えに行くと電話があった。
1階よりもっと暑い2階の寝室のベッドで、私としろちゃんは、前のお家で最後のお夕寝をすることとなった。
扇風機を出して、強風にセットし首振りにした。
普段、扇風機なんて使わないので、しろちゃんが珍しがって手を突っ込んでも困ると思い、扇風機の丸いヘッド部分に大きな洗濯ネットを被せた。
この洗濯ネットも、洗濯のためのものでなく、しろちゃんを病院へつれていく際の捕獲用のものだ。
その扇風機が熱風をかき回す。
ベッドや寝具がまだそこにあるのは、業者に依頼して、要らないものや古いものをすべて家と一緒に廃棄してもらうためだった。
しろちゃんは、何事も無かったように、今朝起き出したままの、私の枕の横の自分の猫用毛布に乗る。
ママも、血や様々な汚れのついたままのTシャツとジャージでベッドに横たわる。
噛まれた手首は、血だけさっと、水道水で洗い流していた。

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「ママの血だらけの手首~?
知りません。
僕の記憶にあるのは、暑い暑いお部屋の中でクラクラしながら、しろパパさんを待っておねんねしてたことだけですよ。
エアコンないと、都市部の夏は厳しいものありますよね~ママあ。
お年寄りや猫は死んでしまうかもしれません。
今年の夏を、何とかしてくださいね~政府の偉いおじさん達!」

話を時事問題にすりかえる猫なのだ。


本当に何事も無かったかのように、そして今夜からも、何ひとつ変わることのない日々がここで続いていくかのように、しろちゃんはゆっくりと目を閉じて、眠りの世界に落ちてゆく。
薄汚れたその顔を、真っ黒といいたくなるくらい土汚れのついた身体を、ママの枕に半分乗っけて、スピーッスピーっと寝息を立てている。
寝不足で疲れていて、気が極端に張り詰めた思いをした後なので、私も相当眠いのだが、しろちゃんを見て、見飽きることがない。
サウナのように暑い部屋なのだ。
「熱中症になるんじゃないか?」としろパパさんも心配していたが、しろちゃんも私も、今ここに共にあることの喜びを満喫している。
しろちゃんには、脱走でも失踪でもなかったのだ。
ただのお出かけだったのだ。

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「僕は、ママからポーンって生まれたんでしょ?
雨がザンザン降る日に、武蔵野赤十字病院で、僕はママから生まれたのを覚えてるんだけどな~。
ママは忘れちゃったの?

『わあ、白猫が生まれたあ、てっきりサビ猫かと思ってたわ~』って、あんなに喜んでくれたのに。。。
どこの猫とも知れぬ野良猫と、血縁の無い人間のママだなんて、よく言えるよねえ



柔らかな身体に手をかけて、存在の感触を確かめつつ、ママは再び涙がこぼれる。
自分の赤ちゃんの感覚で、ママは常々しろちゃんを扱っているが、決定的に違う点は、最初から確固たる絆があったわけではないということ。
どこの猫とも知れぬ野良猫と、血縁の無い人間のママなのだ。
まったく知らないままで通り過ぎたかもしれない、人生の中のひとつの縁。
最初からしろちゃんは、ママの子供であったのではなく、ママも最初からしろちゃんのママであったのではない。
ママが欲しい猫の子と、ママになりたい人間との邂逅たったのだ。
お互いに差し出しあう心と心が、かけがえの無い大きな愛情を生み出したのだと思っている。
あるがまま、為すがままでは生まれなかった種類の愛情だと思っている。
日に日を重ねて、深まる一方の親子関係だと思っている。
深まりすぎて、親バカ、子バカなのだが…。

しろちゃんは、ママの手首を絶対に見ようとしなかった。
「ほうら」と鼻先に差し出してみると、顔をそむけるのだ。
悪いと思っているのだろうか。

この手首が、引越し先に移動したその夜から、痛~くなってくるのだ。
しろちゃんは無事に引越し先に落ち着いてくれたが、ママは手が痛いよ~と、泣く夜になるのである。
10日間も通院することになるのである。
猫ひっかき病か?と、周囲騒然。
長くなったので続くなのだ。

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「僕は記憶にございませんグ~
変な病原菌もありませんグ~



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引越しの思い出 その3 ノンちゃんにさよならを言えたんです。

2011/04/22 Fri

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「ノンちゃんがね、僕がさよならって言ったらね。
『さよならなんて言わないで』って言ったんです。
『またきっと会えるから、だって猫は9回も生きるんだよ、しろちゃん』って…
ママも9回、僕と一緒に生きてくれるの?」


今日の調布は曇り。
明日からは雨が降るかもしれない。
雨が降ると、お水のことがちょっと怖い今日この頃なのだ。
しろちゃんは、窓から市会議員選挙の選挙カーを眺めている。
賢明な候補を、ぜひ教えてね、しろちゃん。

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「ん~僕に政治はわからないけどお、
今のあの人は、僕にお手手を振らないのでやめたほうがいいです


続きものの記事です。
あくまでも、自己満足の記録であるので、おこがましいですが、
わけがわからないので、わけがわかりたいと思ってくださった方は、
引越しの思い出 その1 脱走と言わないで!
引越しの思い出 その2 外出と言ってよね。
引越しの思い出 その3 ノンちゃんにさよならを…前編
引越しの思い出 その3 ノンちゃんにさよならを…後編1
引越しの思い出 その3 ノンちゃんにさよならを…後編2
まことにお手数ですが、上記のリンクをどうぞ。
私の失敗から得た教訓が、愛しい猫ちゃんとの生活の参考にでもなれば幸い…。

午前なんだか午後なんだかもわからなかった。
時々しろパパさんから、荷物の置き場所の確認の電話が入る。
「しろちゃんは帰ってこない?」
「まだ帰ってこないわよ。
まずこの会話から始まるので、その後の引越しの荷物の話も、怒ったように話すことになってしまう。
しろちゃんが失踪したって、同じ家に住んでいる限り、戻ってくる可能性は高いだろう。
そもそも、外から来た猫なのだから。
でも、私達は引越してしまうのだ。
同じ市とはいえ、歩いては行かれない距離であり、しろちゃんにとっては到底見知らぬ世界なのだ。
退去の日付は当日、引っ越す前の家は3日後辺りに壊されることになっており、土地は更地になる。
退去を無視して篭城するにも、家自体が無くなってしまうのだ。
この猶予の無さが、こんな大げさな捕獲劇になるのだし、私を悲壮な気持ちにさせていた。

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「いつもこの窓に、ノンちゃんは来るんです。」
前の家のしろちゃん

濃い日差しの日だったと記憶している。
風も無く、うっそうとした我が家と隣の庭の木々からは、ワ~ンと蝉の声がしていた。
引越し屋さんが運ぶべき荷物はほとんど運ばれたようで、シーンとしていた。
リビングの庭に出入りできる窓と網戸を開けはなった。
たまたまそこにあったコールマンのキャンピングチェアを出して、腰掛ける。
足元には、リビングのテーブル周りにあったこまごました小物を入れたトーとバッグと、私のバッグ。
朝にトーストを食べたきり、空腹感も無いし喉の渇きも無い。
トイレに行くことも怖かった。
もしその間に、しろちゃんが戻ってきたら…。
そう思うと、その場を動けない。

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「夜になったら、ノンちゃんはお家に帰るので来ないんです。
明け方になればまた来ますよ。

前の家のしろちゃん

庭に出してある古いダイニングテーブルの上のきびなご、カリカリ、お水の入った花瓶。
何度も何度もそこを見にゆくが、カリカリもきびなごも減らないままで、そこにあった。
本を読む気には到底なれない、携帯でメールをしたりゲームをしたりする気にもなれない。
寝不足で眠いはずだが、眠くもない。
「落ち着け落ち着け」と自分に言い聞かす。
悲壮な感覚の中にも、「しろちゃんは絶対に帰ってくる!」という妙な感覚もあった。
なぜだかわからないけど、どんな風にかわからないけど、しろちゃんは今夜中に帰ってくる。
そんな気がして、祈るというよりは、第六感のようなものに訴えかけるという感じだ。
しろちゃんに通じる特別な周波数があるとしたら、ママである私だけが、その周波数で語りかけることができるだろう。
外に向かっては、「し~ろ~ちゃ~ん、し~ろ~ちゃ~ん」
心の内では、「しろちゃん、早く帰っておいで、ママはここでずっと待ってるよ。
しろちゃんが帰ってこないと、ママはここで、土になってしまいますよ。」

泣いてしまうと、本当にしろちゃんを失ったような気分になるので、ママは泣かない。

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前の家のしろちゃん

蝉の声が鎮まり、日が傾き、オレンジ色の木漏れ日が緑の下生えに水玉模様を作っていた。
隣の庭の濃い緑の中を、白いものが来る!
しろちゃんだ。
白くて動くものなんて、しろちゃんしかいないじゃないか。

上ずった声で呼ぶのは賢明ではないと、Mさんが教えてくれた。
「いつもの通りのママの声でなくては、猫は非常事態と思って近寄らないよ」と。
「あははっしろちゃん、お腹空かない?
きびなごさんもあるよ~♪」
隣の庭に話しかけつつ、ひらめいた。
マタタビがあるじゃないか!
しろちゃんが去勢する前に、落ち着かせるためにお世話になった強烈な純粋マタタビ粉末が。
「純粋マタタビ粉末」「と書いた黒い箱に、粉末の風邪薬程度の大きさのものが2袋残っていた。
今朝方、なにげなくトートバッグに入れたのだ。
捨てても良かったものを…。
虫の知らせか。

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前の家のしろちゃん

1袋を、隣の庭から細い細~い線にして、我が家の庭への出入り口の窓まで撒いた。
最後の1袋を開封し、サッシのレールに少し撒いた。

来た来た、しろちゃんが!
クンクンしながら、マタタビでつけた道筋を通って、ママのいる窓のそばまで。
サッシのレールに手をついて、外に立ったままで舐めている。
もう一歩なのだ。
ここは慎重にしないと…これがきっとラストチャンス。
バクバクする心臓の音が、しろちゃんにも聞こえそうだった。
震える手で、残りのマタタビ粉末をチビチビと家の中側に撒いた。
しろちゃんが前足をレールにかけた。
ダメダメ、ここで慌てて抱こうとしようものなら、失敗は目に見えている。
沈黙したままで、マタタビの袋を裂いた。
袋に残るほんの残りカスを舐めようと、しろちゃんが後足をサッシのレールに乗せた。
お尻が入った。
いまだ!
息を殺して、しろちゃんのお尻を押し、尻尾くらいは挟んでもいいと、網戸をバーンと閉めた。
やったあ~~~ママはやったあ!
うれし涙がポロポロこぼれるママの足元で、しろちゃんがギャーギャー泣き喚く。
網戸にしがみついて、「ママ、騙したねー僕はまだお外で遊びたいんだよ!」と怒っている。
私を殴らんばかりに怒っている。
殴りたまえよ、引っかきたまえよ、しろちゃん。
ママはしろちゃんに、親として最適、最善な道をとっているつもりだ。
今のしろちゃんにわかるわけもないが。

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前の家のしろちゃん

しろちゃんを足でどかしてガラス戸を閉めた。
ロックまでしっかり閉めた。
玄関の鍵をかけ、トイレの窓、お風呂の窓、2階のすべての窓にロックをかけて回った。
もうこれで、この家から勝手に出ることはできないのだ。
「あははははっうふふふっわっはっはっ
「ギャーンギャオーン」

ママは、泣くだけ泣かせておいた。
窓にしがみついて、しろちゃんは叫んでいたのだ。
「ノンちゃん、さよなら~、ノンちゃん、さよなら~~。
また会おうね~また会えるよね。。。」


IMG_0126_convert_20110112175837.jpg
前の家のしろちゃん

日が沈みかけ、濃い夕焼けが西の空に広がった。

どうしてこんな大捕り物物語になってしまうのか。
1歳過ぎまで元野良猫だった猫ちゃんを、完全室内飼いで飼っているとわかることと思う。
愛情や信頼関係の問題ではないのだ。
どんなに家の中で満足して暮らしていても、すっかり忘れて諦めていた外の世界をちょこっとでも自分の足で歩いてしまえば、それは魔物のように魅力のある世界であるのだ。
おまけに、大好きなノンちゃんとも、肌と肌を触れ合って遊ぶことができる。
作り物なんかじゃない、本物の虫も蝉も昆虫もいるのだ。
しろちゃんは、自分の意思とタイミングで帰ってくるつもりだったのだ。
自分がすでに去勢をして、強くも怖くもないテリトリーを失った♂猫であるという自覚もなしに。
そして帰りたいときには、ママとしろパパさんの居る家がそこに無いということも、しろちゃんは知るよしもない。
……
ママは、単純に、しろちゃんを失いたくなかっただけ。
よしんば、誰かが、もっと幸福な生活をしろちゃんにプレゼントしてくれると言って、1兆円ママにくれると言っても、ママはお断りなのだ。
自分の子供だもの。
単純に、本当に単純に、親バカで溺愛なママなのだ。

IMG_4413_convert_20110422162608.jpg

「僕を、溺愛でありがとう。
時々はうるさいけど、僕はママの子になりなさいって猫神様から言われてきたんだ。
もう1回生まれ変わっても、ママは僕のママなんだよ。
どんな形で出会うのかわからないけど、僕はママを探すから、ママも僕を見つけてください



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プロフィール

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Author:kakobox
東京都在住。
【しろちゃん】MIX白猫男の子9歳
2007年2月14日生まれ(獣医さんが決めた誕生日)
お庭から、自分の足でやってきて、自分で自分のママを見つけたけなげな子。
野良猫→外猫→1歳半を超えてママの白い一人息子に!
腹壁ヘルニアで大手術、持病は猫ウィルス性気管支炎。
大人しく律儀で優しい、性格自慢な良い子です♪

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